■4.団体信用生命保険はどれを選ぶ?■
ご質問者様D:団体信用生命保険には一般団信、ワイド団信、がん保障、3大疾病保障、8大疾病保障などいろいろありすぎてどれを選べばいいのかわからないです。
回答:近年は銀行も他行との金利優遇以外での特色を出そうと団信に力を入れており、結果選択肢が増え、どの保障タイプにすればいいかわからなくなったり、どれが一番お得なのかわかりにくかったりとなっています。今回は団信(特約)の種類と保障内容を見比べ、どの団信が一番あなたに合っているのか検証してみましょう。
まず団体信用生命保険(団信)とはなんでしょうか。住宅ローンを契約した人が死亡、もしくは高度障害状態となった場合、残りのローンが保険金で完済される保険です。また各々の銀行では、三大疾病特約・八大疾病特約・ガン保障特約など団信に「特約」を付けて保障の範囲を広げたり、特定の疾患への保障を手厚くしたりするなど、さまざまな保障を提供しています。
1)がん保障付き団信(愛知銀行、中京銀行、百五銀行、三十三銀行、十六銀行など)
まずは、がん保障付き団信です。がんと診断された場合に住宅ローンの返済が不要になる団信です。現在多数の銀行が金利上乗せ無しで取り扱っています。
金利上乗せ無しなら、加入しない手はありませんよね。
2)3大疾病保障付き団信(みずほ銀行、名古屋銀行、岡崎信用金庫など)
3大疾病保障付き団信は、がん特約に加え、脳卒中や心筋梗塞で手術を受けたり、所定の状態が60日以上継続した場合、住宅ローンの返済が免除されます。このプランもたくさんの銀行で取り扱っていますが、住宅ローン金利に0.3%上乗せされる事がほとんどです。3000万円の住宅ローンであれば、3大疾病保障付き団信の保険料は35年間で約170万円です。
脳卒中や心筋梗塞で手術を受けた場合に免除されるなら加入を考えてもいいでしょう。所定の状態が60日以上継続に関しては、脳卒中は、言語障害、運動失調、麻ひ等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されること、急性心筋梗塞においては、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されることが条件になりますので、なかなか厳しい条件ではないでしょうか?
3)新3大疾病付機構団信(住宅金融支援機構【フラット35等】)
新3大疾病付機構団信は、住宅金融支援機構(フラット35等)を利用する方が加入できます。がんは診断、心筋梗塞・脳卒中は手術もしくは所定状態60日、要介護2以上などが条件です。
フラット35の金利に0.24%上乗せされます。3000万円の住宅ローンであれば35年間の保険料は約150万円です。
3大疾病保障付き団信よりも上乗せ金利が低いですが、もともとの金利が変動金利に比べて高いので上月々の返済をよく確認して検討しましょう。
4)7大疾病保障付住宅ローン(三菱UFJ銀行)
7大疾病保障付住宅ローンは3大疾病(悪性新生物(上皮内がんは除きます。)、脳卒中、急性心筋梗塞)
に4つの生活習慣病(高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変)をカバーする特約が付いた団信となります。
がんは診断、脳卒中・心筋梗塞は入院が住宅ローン支払い免除の条件とハードルが低いことが特徴です。さらに4つの生活習慣病も保障が付いており充実した保険となっております。
住宅ローン金利への上乗せ幅は0.3%です。3000万円借りた場合の保険料は35年間で約170万円です。
2)や3)と比べてもお得度は高いです。
5)8疾病保障プラス付住宅ローン(イオン銀行他)
8疾病保障プラス付住宅ローンは、3大疾病と高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎に加えて
非自発的な失業や、火災・地震・自然災害などで居住不能状態が継続した場合の返済相当額を保障されます。
住宅ローン金利への上乗せ幅は0.35%です。3000万円借りた場合の保険料は35年間で約200万円です。
失業や自然災害の保険も一緒になっている点が他社との差別化になっています。ことらも2)や3)と比べてお得度は高いです。
6)11疾病保障団信(じぶん銀行)
じぶん銀行では11疾病保障団信がありますが、がん以外の疾病は180日以上の入院が必要になります。
相当厳しいハードルですのでほぼ、がん特約しか使えないと思ってください。
住宅ローン金利への上乗せ幅は0.3%です。3000万円借りた場合の保険料は35年間で約170万円です。
これならば4)や5)の団信へ加入する方がメリットが大きいと思われます。
7)全疾病保障(住信SBIネット銀行)
全疾病保障は、ほとんどの病気やケガで就業不能状態が12か月を超えて続くと、その時点のローン債務残高相当額が免除されます。債務全額免除へのハードルは相当高いです。ただし、金利上乗せはありませんので、通常の団信へ加入するよりはお得になります。それなら1)のがん特約に加入した方がメリットは大きいですね。
8)団信革命(りそな銀行)
団信革命は、3大疾病の保障に加え、所定の状態になったとき、要介護2以上の認定を受けたときなどに住宅ローン支払いが免除になる保障が上乗せされています。金利への上乗せ分は0.3%で、3000万円を借りた場合の保険料は170万円ほどです。
総合して考えると、補償内容を充実させたい方は新3大疾病付機構団信や7大疾病保障付住宅ローン、8疾病保障プラス付住宅ローン、団信革命をご検討されてはいかがでしょう。
それ以外の方は、日本人の2人に1人ががんになるといわれているこの時代、がん保障付き団信は必須条件で入られることをお勧めいたします。
ご質問者様D:団体信用生命保険へ加入する際の告知事項の既往歴で糖尿病があり加入を断られました。私は住宅ローンを組むことはできないのでしょうか?
回答:住宅金融支援機構の「フラット35」以外で住宅ローンを組む場合は団体信用生命保険(以後、団信)への加入が必須条件となります。裏を返せばフラット35の場合は団信へ加入しなくても住宅ローンを組むことができます。健康状態への不安があり、団信への加入を断られた方は基本的にはフラット35一択となります。(※裏技に関しては直接面談できる方だけにご説明いたします。まずはこちらからお問い合わせください。)